参加曲について 第1回 西澤沙苗「VOAR」
本アルバムに参加した日本人アーティスト4名によるエッセイ第2弾です。今回はそれぞれの参加曲について振り返ってもらいました。まずは西澤沙苗さんです!
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この曲は2009年に出した私の1st..アルバム『虹色の音』に収録していた曲です。
ピアニスト内田洋子さんからこの曲を聴かせて頂いた時、サビの出だしの2つのメロディーからVOAR(飛ぶ)というポルトガル語が浮かびました。そこからイメージを膨らませ日本語詞をかきました。
セルジオと初めてお会いした後、このCDを名刺代わりにお渡ししました。
その翌年の来日時、私がライブで歌うのを聴いて下さったり、facebookでこの曲のyoutubeリンクをアップした時聴いて下さり、好意的なコメントを頂いたりしていました。
その後、この曲を歌いたいので日本語をローマ字で書いた歌詞を送ってほしいとメッセージを頂きました。
ボサノヴァのレジェンドのセルジオに歌ってもらえるなんて光栄なことでした。
日本語覚えるのはやはりたいへんだったと思います。いざ歌って頂くととてもすてきだったので嬉しくて感動しました。
そして、ぜひ一緒に音を残したいと思い、録音までご一緒して下さることとなりました。
セルジオのアレンジにまた感激しました。彼のあの代表曲のあのフレーズがまさかVOARと合いまるとは思いもよりませんでした。
急遽予約した吉祥寺の街のスタジオで、短い時間でせーので一発どりはとてもスリリングでしたがとても楽しい時間でした。あの時の音がそのまま残りました。
ボサノヴァのゆったりテンポ、柔らかくやさしい声とギター。セルジオならではの見事なアレンジです。
セルジオの最後のCDの中に入れて頂けるとは、もちろん当時は全く思いもよりませんでした。セルジオはコロナにもめげず、デンバーから飛行機に乗ってサンパウロで録音して新しいCDを作ろうとしていました。この曲も候補曲だったと聞いていました。
サンパウロでの新しい録音は幻となりましたが、ご意思をつなぎ、皆さまと『Romance』を制作できたことは大切な宝です。
セルジオの思いとこのCD制作に関わってくださった皆さまの思いが詰まった特別なアルバムに「VOAR」を入れて下さり、ありがとうございます。
セルジオもこのアルバムをきっと楽しんで天国で聴いて下さるでしょう。
西澤沙苗
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